気になる体重

みんなの気になる体重の話です

BMI」といわれれば、今では多くの方が、標準体重や、理想的な体重の事だと答えられる。
 プロであれば「BMI」の運用、活用方法を理解しているはずだが、一般の人では小さな誤解などもあるかもしれない。

 = BMI = 体重(kg)÷身長(m)2乗
 
 このように表され、日本人では22を理想値として推奨している。
BMIが22のヒトでは病気にかかりにくく、平均余命が長いという疫学データが根拠である。
では、この数字をみんなに適用できるかというと、答えは否である。
例えば、肝臓病などで体に水がたまってしまうと実際には骨と皮ばかりであるはずなのに、体重測定してみると理想的な体重を示す場合もある。
このような極端な例でなくても、筋肉の多い人や骨格のしっかりしたヒトでは肥満でないのに肥満と判定されてしまう場合もあるので注意が必要である。
私などはかなり骨が細い部類であるので、BMI20に達したことは未だかつて無い。

 骨格がしっかりした筋肉質の女性がBMI計算をして太りすぎていると勘違いし、無理な減量に励むと大変危険な状態に陥る可能性もある。
しかも、若い女性の間では160cmぐらいの身長では46~48kgぐらいの体重を理想としている人が多いようであるが、この数値は栄養アセスメントを行う場合低栄養のリスク「中」に分類される境界域といえる。
美容と健康という言葉があるが、女性が理想とする体重と健康は現代日本において両立が難しいようである。
外国においてはやせすぎモデルさんを規制する動きがあったと記憶しているが、成果はあがっていないように見受けられる。厚生労働省はぽっちゃり美人推進キャンペーンでもやるべきだ。

ちなみに、医療現場等で栄養アセスメントや健康相談を行う場合、筋肉量や皮下脂肪厚を測定したり、ウエストヒップ比や生化学検査の結果など組み合わせて判断しております。
家庭で簡便なチェックを行う場合には体脂肪率をはかれるタイプの体重計が便利ですが誤差もあることを理解しておくとよいでしょう。
 
危険なのは外から見えない内臓脂肪です。おなかの肉はつまめないのに体脂肪率の高いあなたは要注意です。